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Vol9.「自然災害に備える住宅づくり ―災害に強い家とは?―」

自然災害に備える住宅づくり―災害に強い家とは?―

自然災害に備える住宅づくり―災害に強い家とは?―

一言で「災害に強い」と言っても、火災や地震、台風、雷など、さまざまな災害が挙げられます。
全国で特に被害の大きかった自然災害は、ここ数年だと2018年に4件、2019年に3件あり、そのうち6件が暴風雨(豪雨)、1件が地震によるものでした。それ以前に甚大な被害をもたらしているのも暴風雨による水害と地震が主たるものです。特に水害に関しては2019年に「大雨警戒レベル」が導入され、さらに今年に入って指標が見直されるなど、深刻な被害に至らないよう対策が強化されるようになりました。

災害に強い家を建てるためにどういった点に注意したらいいのか。第一歩となる立地に関しては前回のコラムを是非参考にしてください。
Vol8.「もしもを『遠ざける』という選択肢 ―災害と土地―」

生活の基盤となる住まい。自然災害という観点から安全に住み続けるためには、地震と水害の対策を最優先に検討することが必要ではないでしょうか。今回は、家そのものの構造や間取りといった観点からお話したいと思います。

重心や高さで被害を最小限に抑える ―建物の構造について

重心や高さで被害を最小限に抑える ―建物の構造について

建物の構造は、まず主要構造部(柱・壁・基礎・屋根など)がどのようなものでできているかということ。木造や、鉄骨造、鉄筋コンクリート造などがいわゆる構造を指しています。
建物の耐震性は構造によって決まる部分が大きいのですが、強度の強いものの方が耐震性が強くなることはイメージしやすいのではないでしょうか。実際、木造より鉄筋コンクリート(RC)造のほうが耐震性は高くなりますが、非常に高額となるため、実際にはRC造の戸建て住宅はあまり一般的ではありません。そこで、今回は木造で家を建てる前提で説明しようと思います。

【揺れに強い構造を採用することで、安定した建物に】
基礎は一階床面全体にコンクリートを敷き詰めるベタ基礎にすることが望ましいとされています。また、屋根はスレートやガルバリウム鋼板などの軽量な素材を使うことで、建物全体の重心が低くなり、耐震性が向上します。揺れに対する壁の強さは壁倍率という数値が基準。一般的に柱と筋交い(すじかい)で作られた壁よりも、柱と合板などの面材で作られた壁の方が壁倍率が高く、揺れに強い構造です。また建物の形状を凸凹のない(少ない)四角い形に近づける方が揺れによるねじれに強いと言われています。木造住宅用の制振装置なども耐震性を高めるためには有効でしょう。
こうした建物の構造や形状による耐震性をわかりやすく表したのが「耐震等級」です。耐震等級1では倒壊しないことが基準とされていますが、地震から命を守るための最低基準。これまでは建築基準法を満たす耐震等級1でも充分と考えられてきましたが、復旧にかかるコストや地震後の生活を考慮すると、耐震等級は長期優良住宅にも適合する2以上(できれば最高等級の3)が望ましいでしょう。

【浸水を防ぐには、高さがポイント】

【浸水を防ぐには、高さがポイント】

水害に強い家とは、浸水しにくい構造が不可欠。浸水には「床下浸水」と「床上浸水」が挙げられますが、やはり防ぎたいのは床上浸水。被害に遭うと、床や壁、断熱材の張り替えや室内の消毒などが必要となり、被災前の生活に戻るための期間や費用が大きく膨らみます。
水害対策として考えられる構造は床を高くすること。「盛土」をして敷地全体を上げる方法と、建物の基礎を高くする「高基礎」を採用する方法があります。どちらも床上浸水を防ぐために効果的ですが、上げたために階段が必要になるなど、コストが上がるデメリットもあるため、立地に合わせて検討するといいでしょう。

災害に遭っても今まで通りの生活を送るために ―間取り・設備

災害に遭っても今まで通りの生活を送るために ―間取り・設備

自然災害は予測ができないため、水道や電気、ガスなどのライフラインが長期停止してしまう「もしも」の時を想定して、家の間取りや設備を検討することも災害に強い家づくりのポイントです。
【造り付けの収納スペースを増やすことも防災に】
地震に強い間取りとは、建物の壁(耐力壁)は多いことが挙げられます。必要以上に大きな吹き抜けや柱や壁のない大空間は、とても広々として過ごしやすそうですが耐震性という点から見ると弱点となることも。もちろんしっかり構造計算されたものであれば問題ありませんが、縦横や1・2階の壁がバランスよく配置された間取りが望ましいでしょう。特に1階と2階で大きさの異なる間取りを考えている場合は、バランスが非常に難しくなるため依頼する会社としっかり打ち合わせする必要があります。
阪神淡路大震災や東日本大震災では、家具の転倒による圧死や怪我が多発しました。そこで提案したいのが造り付けの収納スペース。大きな家具を置かずに収納スペースを活用することが、実は家庭内での防災につながります。また、冷蔵庫や食器棚は倒れたり中身が散乱することで非難経路を遮ってしまう恐れもありますので、いざという時に素早く避難できるように生活動線を考えた間取りとするのも重要です。

【床上浸水しても、生活し続けられる場所を確保する】

【床上浸水しても、生活し続けられる場所を確保する】

水害に強い間取りと考えると、1階が床上浸水した場合でも、2階である程度生活できるかどうかがポイントです。例えば、2階にリビングやキッチン、浴室などの生活スペースを設けていれば、最低限の生活は確保できそうですね。また、電気系統が水に浸かると電気が使えなくなり、漏電火災につながる可能性も高まるため、コンセントの高さを工夫するのも、防災の一つと言えるでしょう。

【まとめ】構造や間取りに安心をプラスして、安全な住まいづくりを

【まとめ】構造や間取りに安心をプラスして、安全な住まいづくりを

防災にこだわり過ぎたら望んでいた間取りにならないのでは、と思うかもしれませんが、家づくりはお客様と建築業者で一緒に作っていくもの。希望をしっかり伝え、その上で災害に強い家ができるのが最も望ましいカタチです。まずは、安心して些細なことでも相談できるパートナーを見つけるのが、お客様が「防災」という観点から家づくりを始める第一歩かもしれません。

創業29年の経験と実績で、タケソー住空間がお客様の「安心」になります

創業29年の経験と実績で、タケソー住空間がお客様の「安心」になります

災害に強い土地選びから構造、間取りまで、しっかり相談して家を作りたい…そんな思いでこのコラムを読んでくださったお客様のために、タケソー住空間は応えたいと考えています。これまでの経験や実績からアドバイスできることも多いと考えておりますので、奈良・田原本で新生活を考えているようでしたら、ぜひ一度お話を聞かせてください。お客様の安心を叶えるお手伝いができることをスタッフ一同楽しみにしております。

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