Vol.16「最近よくきく『全館空調』ってどんなもの?」
住み心地の良い環境がつくれると人気の全館空調
地球温暖化といわれ、猛暑日が続く日もめずらしくなくなった近年、みなさんの住まいの一般的な空調は、各部屋にエアコンを設置するのが普通でした。使う部屋だけエアコンを点けると部屋ごとの室温は調整しやすくなりますが、廊下との温度差が生じ、また夏冬だと部屋が適温になるまでに時間がかかります。それに対し「全館空調」は建物全体を一つの空調システムで管理し、建物全体を冷暖房して24時間換気をおこなう設備のことで、すべての部屋、廊下も含めて一定の温度に保つことができます。そして基本的には1年中稼働させているため、365日24時間快適な室温を保つことができるのが特徴です。
一生住み続ける家だからこそ全館空調のメリット・デメリットを考える
身体に負担が少ないなどメリットが多くと人気が出る一方で、もちろんデメリットも存在します。メリット・デメリットを知った上でみなさんのおうちづくりにあっているのかどうかを見ていきましょう。
【全館空調のメリット】
・建物全体の温度が均一で快適
全館空調の最大の魅力は「建物全体の温度を一定に保てるため、年中快適に過ごせる」こと。冬は「廊下に出ると寒い」「エアコンを入れるまでは寒く、朝はベッドから出られない」といったことも全館空調を採用すれば解決でき、家の中での温度差によるストレスを感じることも減ります。
・きれいな空気が保てる
全館空調は機械によって計画的に換気がおこなわれる仕組みになっていること、そして高性能な換気機能を備えたシステムも多くあるため、清浄な空気が保てる身体にやさしい家になります。さらに高性能フィルターを使って花粉が除去できる機能をつけることもできるため、花粉症の方も安心して生活できます。
・ヒートショックが防げる
全館空調の家だからこそ、部屋ごとの温度差が生まれないため「ヒートショック」を未然に防ぐことも可能です。急激な温度差によって血圧が急に上下変動し、心臓や血管に異常が生じることで起こるのが「ヒートショック」。心臓に負担がかかることで心筋梗塞や脳卒中につながることも。入浴中に亡くなる方の要因として、もっとも多いのがヒートショック。ご高齢の方は特に気を付ける必要がありますが全館空調なら安心です。
・機器の露出がなく美観が保てる
全館空調のシステムは、室内機が目に見えない空調室などに収納されるため、エアコンのように機器が露出することはありません。そのため、天井付近もすっきりして美観が保てるのがメリット。さらにすべての空間の温度が一定に保たれているため、ヒーターやストーブ、扇風機などを使用する必要もありません。無駄な家電は置かずに、最小限のモノですっきりと見せたい方にもおすすめなのが全館空調です。
・吹き抜けなどの間取りと相性◎
空間が広がっている吹き抜けなどの間取りは、エアコンだと冷暖房の効率が悪く、部屋が暖まりにくい/涼しくなりにくいのがデメリットと言われています。しかし、そんなデメリットを解消してくれるのが全館空調。間取りごとの空間の広さは関係なく、建物全体をまるごと冷暖してくれるので、吹き抜けとの相性は抜群です。
・エアコンの風が苦手な人にもやさしい
こちらは私たちのお客様で実際にあった話で、全館空調を体験された方がその場で全館空調をつけるとおっしゃられたこともあります。エアコンが苦手な方は「エアコンの冷風があたるのがイヤ」だったり「身体が冷えてきてだんだん調子がわるくなってくる」といった点をあげる方が多いです。しかし全館空調では家の壁や床、天井をダクトが通ることで家全体の温度が整えられ、よりすくない冷風で確実な冷房の効果を得ることができるのです。
【全館空調のデメリット】
・初期費用が高い
エアコンを設置する場合と比較すると、全館空調にかかる初期費用は高くなる傾向にあります。具体的な導入費用に関しては、各メーカーや建築会社、冷暖房タイプによっても異なりますので、事前に確認しておきましょう。
・電気代が高くなる
全館空調は基本的には1日中稼働させるものであるため、毎月の電気代が高くなるのもデメリットの一つ。普段からエアコンを極力使わないように我慢している方の場合は、全館空調にすると電気代が高いと感じてしまうこともあるでしょう。一方で、全館空調の設定温度を夏は高めたり、冬は低めに設定したり、また太陽光発電を利用したりなど、電気代の節約をする工夫する方法もあります。
・高気密・高断熱でないと効果が低い
全館空調で建物全体の温度をコントロールしたとしても、気密性・断熱性がある程度高い家でないと外気の熱気や冷気が屋内に入ってしまい、反対に屋内の冷暖房の風が外に漏れてしまいます。全館空調のメリットを最大限に発揮するためには、高気密・高断熱の家づくりを意識することも大切です。
・メンテナンス費用がかかる
定期的なメンテナンスとして、フィルターの掃除は最低でも1ヶ月に一度を目安におこなうのが良いでしょう。もし全館空調が故障してしまうと、メンテナンス費用がかかるのはもちろんのこと、家全体の冷暖房そして換気する機能しなくなってしまいます。また契約をする際に、何年間のメーカー保証があるのか等アフターフォローについて詳しく確認しておくと安心です。
【結論】メリット・デメリットを知った上で自分自身に合うか考える
今回は全館空調のメリット・デメリットのご紹介でした。みなさんが長く住むこだわりの家だからこそ、しっかりとした知識を身に付けて自身のライフスタイルや資金計画とあっているのかを考える必要があります。
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