Vol7.「住宅として適しているのはどっち? ―木造or鉄骨―」
住宅として適しているのはどっち?住宅構造編
家を建てる際にこだわれるポイントはまだまだあります。今回のコラムでは、建物の構造についてお話しましょう。
二階建てと平屋建てを比較解説した前回のコラムもご覧ください。
Vol6.「永く住むためのこだわりと選択 ―二階建てより平屋建て!?―」
住宅構造と聞くと思い浮かぶのは「木造」「鉄骨造」のどちらでしょうか。「RC(鉄筋コンクリート)造」などもあるのですが、今回は「木造住宅」と「鉄骨住宅」について比較していきます。ちなみに、少しデータは古いですが、住宅の構造別割合は木造が約6割、非木造が約4割となっています。(平成20年 総務省/住宅・土地統計調査)
木造住宅のメリット ―自由度の高い家づくりができる
ライフスタイルに合わせてリフォームもしやすいのが木造住宅の魅力。それでは、具体的なメリットを見ていきましょう。
1.建築費用を抑えられる
使用する木材の種類によって価格は変動しますが、鉄骨住宅に比べて材料費が安価なため、建築費用を抑えることができます。ただし、建築にかかる坪単価は会社によって異なるため、見積もりを取って予算としっかり比較しましょう。
2.間取りの自由度が高く、リフォームも容易
木造住宅は基礎・土台・柱・梁の構造材が建築基準法の条件などを満たしていれば、間取りを自由に設計することができます。 構造上、どうしても外すことのできない壁を除けば、大規模なリフォームや部分改修も容易。ライフスタイルの変化に合わせて手を加えやすいのも魅力ですね。
3.耐火性能に優れている
皆さんはバーベキューをする際、薪に火をつけるのに苦労された経験はありませんか?意外に思われる方もいらっしゃるかと思いますが、「木」は250度にならなければ燃えません。さらに熱伝導率が低く、木の内部まで燃えるまでに時間がかかるため、火災が起きても構造体の中心が残って家の形が保たれます。
ちなみに、「鉄」は燃えませんが、230度を超えると急激に強度が落ち、550度でぐにゃりと曲がります。(火災温度は700度~950度)
木造住宅のデメリット ―耐震性や防音性能が落ちるが対策も可能
立地によって防音性能のデメリットもある木造住宅。こちらも対策を含めた具体的な例を挙げて説明します。
1.耐震性が劣る
まず鉄骨造の住宅に比べると、地震に弱い傾向にあることが挙げられます。しかし、現行の建築基準法では構造や工法に関わらず震度6強~7に達する大規模地震でも倒壊・崩壊する恐れのないものにするよう定められているため、木造でも十分な耐震性を備えられる建築物を建てる工法が確立されました。近年では、耐震性の高い構造用パネルや制振システムの性能が向上し、これまで以上に耐震性を強化した家作りも可能となっています。
2.防音性能が低い
木材は性質上、遮音性能が低く音を通しやすいという特徴があります。例えば利便性を考えて大きな道路に面した土地を購入した、家で楽器を演奏したいなどと考えている場合には大きなデメリットになることも。ですが、断熱材を高性能パネルとして気密処理施工をしたり、窓を気密性に優れた複層ガラスにするなど、必要に応じて十分な防音対策も可能です。
鉄骨住宅のメリット ―安定した品質が最大の魅力
工場生産により安定供給される材料で建築が進められるのが鉄骨住宅のメリットの一つ。ここでは鉄骨住宅のメリットを見てみましょう。
1.広くて大きな空間を作ることができる
憧れの広いリビングなどは、鉄骨住宅の得意分野。建物の主要部分を鉄骨で作る、鉄骨ラーメン構造の住宅は柱と柱の間を広く開けることができるため、大きな窓や広々とした空間をデザインしたいという方にお勧めです。
2.耐震性能が高い
素材の鉄や鋼が「しなる」ことで地震のエネルギーを吸収してくれる鉄骨住宅。木造住宅と比べて「しなる」構造が完全に倒壊する危険性を低くしてくれます。また、木材のように材質によって強度が大きく変わることがないため、安定した高い耐震性があるといえるでしょう。
3.部材の品質が安定している
鉄骨住宅に使われる部材は、工場生産によって安定供給される仕組みが整っていることが多く、信頼できる施工会社であれば安心して家づくりを任せられます。木造住宅の場合は、施工能力や木材の種類・質が住宅そのものの質に影響するため、入念な下調べが必要になってきます。
鉄骨住宅のデメリット ―総じて高コストになりやすい
部材の質は安定しますが、費用が高くなりがちな鉄骨住宅。断熱性能も木造住宅に比べて劣りますが、対策も含めて説明していきましょう。
1.坪単価が高くなる
鉄骨住宅は坪単価が高くなり、木造住宅に比べて建築コストが高くなりがちです。また部材の重量が重くなるため、土地によっては地盤改良が必要になることも。追加費用も念頭に入れて建築会社としっかり資金計画を立てましょう。
2.固定資産税が下がりにくい
鉄骨住宅は経年劣化が木造住宅に比べてゆるやかなため、固定資産税が下がりにくい一面もあります。税金は高くなりますが資産価値が高いとも言えるので、経済状況も十分加味して検討するといいでしょう。
3.断熱性能が低い
鉄は熱を伝えやすく、外気温の影響を受けやすい特徴があります。夏は熱がこもりやすく、冬は寒さが伝わりやすいため、断熱材や設備などでデメリットを補う必要があります。
【結論】立地や性能、予算を元に専門家に相談を
当社では木造住宅を主に販売・建築させていただいておりますので、木造住宅のメリットをお伝えしたいのが正直なところです。しかしお客様にとってはこれから先何十年とお住まいになる「家」。色んな工法のメリット・デメリットをお伝えすることで、お客様が建ててよかったという選択をされるのが最善だと考えております。
お客様の要望に寄り添った提案は、タケソー住空間にお任せください
今回のコラムではどちらの構造にもデメリットがあるような表現をしましたが、それらを補って不安を解消できるのが、建築会社の提案力ではないでしょうか。
私たちタケソー住空間は、奈良・田原本の地域の皆さまに寄り添って多くの実績を積んできた経験を、お客様への選択肢として提案できるよう努めてまいります。